最高のプレゼント

妊娠がわかったとき。
うれしくてうれしくて。
真っ先に報告した相手は夫ではなく母だった。

「おめでとう」

そう言うと母は押入れから大事そうに白い箱を取り出してきて私に手渡してくれた。

「あなたが妊娠したら渡そうと思っていたのよ」

箱の中に入っていたのは私の母子手帳と育児日記だった。

母が私を妊娠した時の気持ちや、はじめて笑った日、歩いた日などが細かく記されていた。
こんなにも大事に育ててくれたんだと、改めて母の愛情が感じられて涙が出た。

28年越しのプレゼント。

これまでもらったどんなプレゼントよりもうれしく感じられた。
結婚して5年。不妊治療の末、やっとの妊娠だった。
これまで妊娠を催促されたことこそなかったが、母はどんなにこの日を待ち詫びていたことだろうか。
きちんと手渡してもらえる日が来て本当に良かった。

あれから6か月、私のお腹の子もどうやら女の子らしいということがわかった。
母が私に用意してくれていたように私も娘にいつか愛情いっぱいのプレゼントを手渡してあげたいと思う。